涼介は勉強机に向かいながら、目の前の問題集を睨んでいた。
隣で教えてくれる家庭教師の白石優花(しらいし ゆうか)は、ふんわりとしたロングスカートにカーディガンを羽織った、いかにも優しそうな雰囲気の女性だ。
「ここ、少し考え方を変えると簡単に解けるんだよ」
優花は柔らかな声でそう言いながら、ノートにペンを走らせた。
涼介の肩にそっと寄り添うようにして説明する彼女の髪から、かすかにシャンプーの香りが漂ってくる。
「こういう感じで解いてみようか?」
近い距離に思わず緊張する涼介だったが、優花の穏やかな微笑みがその緊張を和らげてくれる。
彼女はどこか浮世離れしたような雰囲気で、時々自分が家庭教師と生徒であることを忘れそうになるほどだった。
「あ、うん。なんとなく分かったかも」
涼介がぎこちなく返事をすると、優花は満足げに頷いた。
「涼介くん、頑張ってるね。偉いよ」
ふわっとした言葉がその場を包み込むようで、涼介の心が少しだけ軽くなる。
その後、しばらく勉強を続けていたが、涼介の集中力は次第に切れてきた。
ふと彼がため息をつくと、優花がペンを置いて小首を傾げた。
「疲れちゃった?」
「あ、いや、ちょっとだけ……」
涼介が照れ臭そうに言うと、優花は微笑みながら言った。
「じゃあ、ちょっとだけ休憩しようか?」
彼女はそう言うと、机の上に置いてあったマグカップを手に取った。
温かい紅茶が入ったカップから立ち上る香りに、涼介はほっとする。
「涼介くんって、頑張り屋さんだよね。見てて、分かるよ」
優花の言葉に、涼介は思わずドキッとする。
「そ、そうかな……」
ぎこちなく答える涼介に、優花は穏やかに微笑みながら、彼の目をまっすぐに見つめた。
「ねぇ、涼介くん。なんか、最近少し無理してる気がするんだけど……」
そう言って優花は、彼の手の甲にそっと触れた。
柔らかな手の感触が、涼介の心をかき乱す。
「……そんなこと、ないよ」
涼介は慌てて否定するが、その目は優花の手元に引き寄せられてしまう。
「無理してるの、分かるよ。私は涼介くんのこと、ちゃんと見えてるから」
優花の柔らかな声とその言葉に、涼介は少しだけ心を開き始めた。
「ほんとは……色々あるんだけどさ……」
ぽつりと漏らした言葉に、優花は安心させるように頷いた。
「大丈夫。涼介くんが少しでも楽になれるように、私も頑張るから」
彼女の言葉は、優しさと包容力に溢れていた。
そんな中、ふとした瞬間、二人の距離が近づく。
いつの間にか、優花の大きな瞳が涼介を見つめていた。
「涼介くん……私に頼ってもいいんだよ」
その言葉に、涼介は思わず吸い寄せられるように優花の方へと身体を傾けていった。
その微笑みは、まるで女神のようだった。
「……俺、優香さんのことが好きだ!」
涼介は勢い余って、優花に告白した。
「えっ?」
優花は驚いたように目を丸くしたが、すぐに笑顔を浮かべた。
「ありがとう、涼介くん…でも……」
その笑顔に涼介の鼓動が早くなる。
今まで押さえつけていた感情が波のように涼介を襲う。
ーーもう、彼は自分自身を制御することが出来なくなっていた。
「優香さん…優香さんっ!!!!」
涼介は優花に抱きつき、強引に唇を奪った。
優花は驚きと恐怖で抵抗しようとしたが、その小さな抵抗は簡単にねじ伏せられてしまう。
涼介は欲望のまま優花の唇を貪り続け無理やり彼女の服の中に手を滑り込ませた。
「やだっ!やめてっ!」
優花は大きな声で叫んだが涼介の耳には届かない。彼は夢中で優花の胸を揉みしだいた。
「やだ……嫌だよぅ……」
泣きじゃくる彼女に構わず、涼介は強引に服を脱がせていく。
「優香さん、可愛い」
涼介は彼女の下着姿に興奮して息を荒らげた。
彼女のスカートの中に手を入れると下着越しに割れ目に触れた。
「ひっ!」
突然の刺激に優花は悲鳴を上げた。
しかし、その反応すら今の彼には快感でしかなかった。
涼介はそのまま優花の下着に手をかけると、一気に脱がせた。
そして、あらわになった彼女の秘部に自分のモノをあてがい、一気に挿入した。
「痛いっ!」
あまりの痛さに優花は思わず声を上げたが、彼は欲望のままに腰を動かし続けた。
「やめて……お願い……」
優花は涙を流しながら懇願したが、涼介は聞く耳を持たなかった。
「優香さんの全部が好きだ!全部俺のものだ!」
涼介は優花の膣内を蹂躙し続けた。
彼女の中はとても温かく、彼のモノを優しく包み込んでくれた。
「ああ……優香さん……好きだ……」
涼介はうわ言のように呟きながら、ひたすらピストン運動を続けた。
「やめて……もう許して……」
優花は涙を流しながら懇願したが、彼は止まらなかった。
それどころか、さらに激しくなっていくばかりだった。
「好きっ!大好きだっ!」
優香はこのあと起こることに恐怖し逃げようとする。
しかし、涼介は腰を自分に引き寄せ離さなかった、
「優香さん…っ!俺の優香さんっ!全部受け止めて!!!!」
涼介が叫ぶとドクンドクンという感覚とともに、大量の精子が優花の子宮の中に注ぎ込まれる。
「やだぁ……もうやだ……」
優花は絶望の涙を流しながら、ただ呆然と虚空を見つめていた。
涼介は自分のモノを引き抜くと、満足そうな笑みを浮かべながら彼女に覆いかぶさった。
「優香さん……ありがとう」
そして、そのまま優花を強く抱きしめた。
「涼介くん……ごめん……」
彼女はただ謝罪の言葉を繰り返すだけだった。
その目からは止めどなく涙が溢れていた。
優花が帰ったあと、涼介はその余韻に浸るように部屋の空気を感じていた。
温かかったはずの空間が、どこか冷たく思える。
優花の笑顔や声が頭をよぎるたび、胸が高鳴る一方で、何かが引き裂かれるような不安感が広がっていた。
次の日、涼介はいつも通り家庭教師の時間を待った。
だけど、優花は現れなかった。
電話をしても応答はない。
1日、2日と経つごとに、その不安は確信に変わり始めた。
何かがおかしい。
涼介は意を決して、彼女の教えてくれた大学のキャンパスを訪ねた。
しかし、そこで彼を待っていたのは、冷たく突き放すような現実だった。
「白石優花?……あぁ、あの人ね。確か、辞めたって聞いたよ。何かトラブルがあったとか……あまり詳しくは知らないけど。」
対応してくれた事務員は、そっけなくそう答えた。
「トラブル?」
涼介は思わず聞き返したが、それ以上の情報は得られなかった。
頭の中が真っ白になり、涼介はその場から動けなくなった。
「嘘だ……優花さん……そんな……」
家に帰る道すがら、涼介は彼女のことを考え続けた。
あの優しい微笑みも、温かい言葉も、彼の手を包み込んだあの温もりも……すべてが偽りだったのだろうか?
彼の胸にはぽっかりと空いていた。
その夜、涼介は眠ることができなかった。
彼女との思い出が頭をよぎり、静まり返った部屋の中で孤独に押しつぶされそうになっていた。
冷え切った部屋の中で、どこにも希望は見出せなかった。
彼女はどこかで新しい人生を歩んでいるのだろうか。
それとも……。
涼介は最後に呟いた。
「……俺の優香さんを探しに行かないと。」
窓の外では、静かに雨が降り続いていた。
冷たい雫が窓ガラスを濡らし、彼の心をますます冷たく染め上げていく。
おわり
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