放課後の教室。
夕日に染まる教室内は、部活帰りの生徒たちでにぎやかだったが、その中に一人、ひっそりと机に突っ伏す女子がいた。
「……また汗かいてる。」
そう呟いているのは、クラスメートの宮村遥(みやむら はるか)。
小柄でおっとりした雰囲気があり、男子の中でも密かに人気だった彼女だが、最近妙に元気がない。
「よっ、遥。どうした?また暑さにやられたか?」
俺、杉山悠人(すぎやま ゆうと)は、彼女の隣の席に座るごく普通の高校生。
特に仲が良いわけじゃないが、最近何かと気にしてしまう。
その理由は単純で――彼女が、ちょっと面白いのだ。
「……いいの、気にしないで。」
遥は顔を伏せたままボソリと答える。
だが、気にしないなんて無理だった。
彼女の額には、今にもポタリと滴りそうな汗が浮いているのが見えたからだ。
「いやいや、どう見てもヤバいって。汗すごいぞ。」
「っ!見ないで!」
突然勢いよく顔を上げた遥。
その頬は汗とともに真っ赤だった。
彼女の反応がツボに入り、つい吹き出してしまう。
「ご、ごめん!でもそんなに汗かくなんて、やっぱり暑いのか?」
遥は慌ててハンカチで顔を拭きながら、こっそりと呟いた。
「……これだからイヤなんだよ。」
「え?」
「……汗かきなの、昔から。どんなに気を付けても、すぐに汗が出ちゃうの。」
意外なカミングアウトに、俺は一瞬言葉を失った。
しかし、彼女が真剣に悩んでいる様子に、なぜか胸がモゾモゾとした。
「そんなの気にするなよ。汗なんて誰でもかくだろ。」
「でも、女子として恥ずかしいんだよ!」
バンッと机を叩いて力説する遥。
だが、勢いよく立ち上がったその瞬間――。
「……あっ。」
彼女の制服のシャツが、汗で背中にべったり張り付いているのが見えた。
しかも、そこから透けて見えたのは――。
「おい、それ以上言ったら殺すから。」
鋭い目つきで俺を睨みつける遥。
だが、俺はこの状況をどうにかしたくてたまらなかった。
「そうだ!」
突然思いついた俺は、彼女の手を取って教室を飛び出した。
「どこ行くの?!」
ーー向かった先は、俺の家。
机の上にはジュースの缶とお菓子、そして、その向かい側に座るのは、汗だくの彼女。
「……で、なんで私、悠人の部屋にいるんだっけ?」
不機嫌そうに眉をひそめながら、彼女は手に持ったタオルで汗をぬぐっている。
「決まってるだろ。お前の『汗問題』をどうにかするための作戦会議だ。」
「そんなの、別に悠人に相談しなくてもいいじゃん。」
「いやいや、こんなに面白――いや、大変そうなやつ、放っておけないだろ。」
「今、面白いって言おうとしたよね?」
ジト目で睨まれるが、俺は意に介さない。
というのも、今日は遥をどうにか元気づけたくて仕方がなかったのだ。
俺の部屋は特に特徴のない普通の男子高校生の部屋だ。
ただし、今日のためにエアコンをガンガンに効かせておいた。
「……めちゃくちゃ涼しい。」
部屋に入った瞬間、遥がポツリと呟く。
「だろ?ここなら汗も引くし、落ち着いて話せるだろ。」
彼女は一瞬驚いたように目を丸くした後、小さく笑った。
「……意外と気が利くんだね。」
「なんだよ、その言い方。」
いつもは教室で汗を気にしているせいか、どこか縮こまっている彼女だが、今は少しだけリラックスした様子だ。
それが俺には妙に嬉しかった。
「さて、本題に入るぞ。」
ジュースの缶を一口飲み、俺は得意げに口を開く。
「お前の汗問題を解決するには、3つの作戦がある。」
「え、作戦?」
遥はポカンと口を開けたが、俺は無視してホワイトボード(実際はカレンダーの裏)を取り出した。
「まず1つ目!涼しい服に着替える作戦!」
「……いや、それ普通に汗対策じゃん。」
「いいや、これが一番大事なんだ!試しに、もっと軽い素材の服とか着てみろよ。」
「そんな簡単な話じゃないんだけど……。」
「じゃあ、試してみようぜ!」
そう言って、俺は自分のTシャツを引っ張り出して彼女に渡そうとする。
「ちょ、ちょっと!なんで悠人の服着なきゃいけないのよ!?」
「いいじゃん、ここ涼しいし、誰も見てないぞ。」
「……バカじゃないの!」
遥の顔が赤くなるのを見て、俺はつい笑ってしまった。
「……でも、本当にそんな風に気にする必要ないと思うけどな。」
真剣に話しているつもりだったのに、遥が不思議そうにこちらを見る。
「何が?」
「だって、汗くらいでお前の良いところが変わるわけじゃないだろ。むしろ、そうやって一生懸命気にしてるのが、お前らしいっていうか。」
「……悠人、何それ。」
遥の頬がほんのり赤くなったが、それが汗のせいかどうかは分からなかった。
「ま、俺としてはその汗を利用して、新しい必殺技とか考えてみるのもアリだと思うけどな!」
「何よそれ、全然真剣じゃないじゃん!」
「いや、割と真剣だぞ。ほら、『ミスト宮村』とか!」
「……やっぱりバカだわ。」
遥は呆れたように笑ったが、その笑顔が少しだけ明るく見えた。
遥は呆れたように笑ったが、その笑顔が少しだけ明るく見えた。
「じゃあ、2つ目の作戦だ。」
「2つ目は、制汗剤を使おう!」
「……なんか悠人が言うと、すごくバカっぽいね。」
「おい、失礼だな!これでも真剣に考えたんだぞ。」
「はいはい。で、制汗剤って何?」
遥が首を傾げるのを見て、俺は得意げに説明を始める。
「簡単に言えば、匂い付きのスプレーみたいなもんだな。汗の匂いを防いだり、消臭効果があったりするんだ。」
「へぇー、そんな便利なものがあるんだね。」
遥は感心したように頷くが、俺はまだ説明を続ける。
「しかも、最近は匂いだけじゃなくて、デザインも可愛いのが多いんだぞ!」
「……なんか急に女子っぽくなったね。」と、ジト目で俺を見る遥だったが、その表情には少しだけ笑みが戻っていた。
「そして3つ目!汗をかきまくって全部出し切る!」
「いや、出し切るって何よ。」
「そのままの意味だよ!体の中の汗を出し切ってしまえば、制汗剤なんて必要ないんだ!」
遥はポカンと口を開けて俺を見つめる。
しかし、その表情はすぐにクスクスと笑いに変わった。
「もうっ悠人ってば、本当に面白いんだから。」
そう言いながらも、彼女はどこか嬉しそうだった。
その様子を見た俺はホッと胸を撫で下ろした。
どうやら少しは元気になってくれたみたいだ。
「よし!さっそく始めるぞ!汗を出すのに効率的な運動は縄跳びだ!」
「え、今から?」
戸惑う遥に縄跳びを渡し部屋の中で飛んでもらった。
ジャンプする度にたゆんと揺れる遥のおっぱいに俺は釘付けになる。
(……エロすぎるだろ。)
ーーそれから30分後……。
「……遥、汗かきすぎじゃない?」
肩で息をしながら地面に倒れた彼女を見下ろして、呆れたように言った。
「だって……悠人が……そんなに……張り切るから……」
汗だくで息を切らす彼女が妙に色っぽく感じる。
高校生の俺にこの興奮を止める術はなかった。
「……なぁ、遥。もっと楽しく汗をかく方法があるんだけど……」
「ちょ、ちょっと!何してるのよ!」
慌てる彼女を無視して、俺は服を脱ぐ。
そして、そのまま彼女をベッドへ押し倒した。
「ほら、これで一緒に汗をかくぞ!」
彼女は戸惑っている様子だったが、しばらくすると諦めたように笑いだした。
「もうっバカ!本当にしょうがないんだから……。」
そういうと遥は俺の唇にキスをしてきた。
遥の身体から出ている汗が俺の身体と混ざり合い、2人の境界線が曖昧になる。
首筋に滴る遥の汗を舐めとると、塩辛い味がした。
「ん……悠人、くすぐったいよ……。」
遥が身をよじらせるたびに汗が飛び散る。
何度も舌で舐めとっているうちに、頭がクラクラしてきた。
胸に手を伸ばし、彼女の汗で湿ったシャツのボタンを外す。
遥の大きな胸の谷間に汗が滴っている。
その汗を舐めとるように舌を這わせると、遥が甘い声を上げた。
「あ……んっ……」
その声に興奮した俺は、彼女の胸にしゃぶりつくように顔を埋める。
「あっ!悠人っ……そんなに強く吸わないでぇ……。」
勃起したピンク色の乳首に吸い付くと、遥はビクンッと身体を震わせた。
「あっ!だめっ……それ気持ちいい……」
遥は俺の頭を抱きかかえるように押さえつける。
そんな彼女の反応が可愛くて仕方がなかった。
彼女の汗を舐めながら胸を揉むと、柔らかい感触が手に伝わってきた。
手を下に滑らせていき、スカートの中に侵入させる。
下着越しに割れ目をなぞり、そのまま割れ目に沿って指を動かす。
「あっ、悠人っ……そこは……」
遥が腰を浮かせて反応する。
俺は調子に乗って彼女の秘部を責め続けると次第に湿り気を帯びてきたのを感じた。
「ほら、遥のここ、すごいことになってるぞ。」
耳元で囁くと、彼女は恥ずかしそうに顔を背けた。
「もう……そんなこと言わないでよ……。」
そう言いながらも、彼女は俺の股間に手を伸ばしてくる。
ズボンの上からでも分かるくらい勃起したそれに触れる。
「私が汗をかかなきゃ意味がないでしょ?」
そう言いながら、遥は俺の股間を撫で回す。
その手つきはとてもいやらしく、思わず声が出てしまうほどだった。
「うっ……くっ……」
俺は我慢できずに遥の胸を揉みながらキスをした。
舌が絡み合う音とお互いの汗が混じり合う音が響く。
それだけで頭がおかしくなりそうだった。
遥は馬乗りになり、俺に襲ってくる。
「悠人のここもすごいことになってるね……。」
遥はクスリと笑い、熱く勃起した俺のもを自分の割れ目に押し付けてきた。
先っぽからゆっくりと中へ入っている感覚が俺を刺激する。
「あんっ……悠人のすごい熱い……。」
奥まで入れると、彼女は腰をくねらせるようにして擦り付ける。
俺は彼女の動きに合わせて腰を動かした。
まるでお互いの性器を愛撫し合っているかのような感覚だった。
遥の汗の匂いと快感で頭がボーッとしてくる。
「んっ……あっ……悠人っ……気持ちいいよぉ……」
遥の腰の動きが激しくなる。
俺もそれに合わせて腰を突き上げた。
パンッ!パァンッ!!と肌が激しくぶつかる音が響く。
「あぁっ……!もうダメェ……!」
遥が限界を訴えると同時に膣内がキュッと締まり、俺のものを締め付けてきた。
その刺激に耐えられず俺は射精してしまった。
「やっ……変なの出ちゃう……!」
彼女の割れ目から潮が吹き出す。
「ああぁぁっ!」
遥はビクビクッと身体を痙攣させ絶頂に達したようだった。
――ふと気が付くと、俺の部屋には静かな空気が流れていた。
エアコンの音だけが部屋に響く中、隣では遥がベッドに寝転んで、天井をじっと見つめている。
彼女の頬はまだ少し赤く、乱れた髪がなんだか妙に色っぽい。
「……なんか、疲れた。」
「……だろうな。」
俺も布団に背中を預けながら、天井を見上げて同じように呟く。
――まさか、汗だくコンプレックスの話をしてたはずなのに、こうなるとは思わなかった。
「……これ、絶対秘密だからね。」
「分かってるよ。」
遥がじろっと睨んでくるが、その目はどこか柔らかい。
「それにしてもさ――」
言いかけた俺に、遥が急にバッとタオルを投げつけてきた。
「何ニヤニヤしてんのよ!バカ!」
「いや、してねえし!」
「思いっきりしてた!」
「……だって、さっきの遥、結構――」
「言うな!!」
遥が枕を抱えて俺を必死に止めようとする。
その必死さが妙に可愛くて、俺はますます笑いをこらえられなくなった。
「なあ……お前、少しは汗のこと、気にしなくなったんじゃね?」
「……どうかな。でも――」
遥が少し照れくさそうに口を閉じ、頬杖をつく。
「……こういうのも、悪くないのかも。」
「だろ?」
「――バカ。」
もう何回目か分からない「バカ」を言いながらも、遥は少し嬉しそうに笑った。
「……んじゃ、そろそろ帰るわ。」
遥が立ち上がり、乱れた髪を適当に手櫛で直す。
「おう、気を付けてな。」
そう言いつつ、俺はふと遥の襟元を指さした。
「あ、ちょっと待て。服、裏返しになってるぞ。」
「……えっ。」
遥が一瞬固まる。
「だ、誰のせいだと思ってんのよっ!」
「はは、言い訳しちゃって――」
言い終わる前に、遥の拳が俺の脇腹にめり込んだ。
「痛っ!殴るなって!」
「黙れ、バカ悠人!」
顔を真っ赤にした遥が、ドアを勢いよく閉めて出ていく。
俺は少し痛む脇腹を押さえながら、思わず笑った。
「……ま、こんな感じも悪くねえな。」
ふと、ベッドに残された遥のタオルが目に入る。
タオルに残る微かな匂いに、俺はなんとも言えない気分になって――
「……こりゃ、次の作戦会議が待ち遠しいわ。」
そう呟きながら、俺は天井を見つめてニヤリと笑った。
放課後の秘密会議は――意外と、汗以上に熱くなることがある。
おわり
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